魚津M様邸改築工事終了とさぼっていたブログの再開
魚津Mさま邸の改築工事が終わりました。
こんな私ですがしばらくブログをサボっているとこんな自分の事を心配してくれる方が数人から怪我でもしてないかと声をかけて頂きました。
私が好きな仕事を通じて発信する事が無駄ではない事と必要としてくれる方がいる事を実感してやる気と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ご心配頂いた方々に感謝の意をお伝えさせて頂きます。
ありがとうございました!
西面ビフォー写真 外壁は波トタン断熱材無し工法?
最近は一条工務店やスウェーデンハウスのお陰で高気密高断熱が知られるようになってきたのですが約60年前に建築されたこのお宅では断熱材を入れる事の大切さなど知る由もなかったのだろうか?今のように袋に入れてないロール巻きでむき出しのグラスウールの存在はあったと思うのですが施工時に身体のあちこちに刺さり全身かゆくなる厄介者のグラスウールの効き目も信用がなかったこともあり入れる事の選択しが当時は殆ど無かったんだと思います。
その後この家の住まい手は外と中の温度差が無い家にこの増改築をするまで住むことになっていきます。
外壁の仕様について
杉の赤身だけを選別してエコウッドトリートメント(カナダ産の酸化防止剤)に付け込んでいきます。
浸ける前は上の写真のように綺麗な杉の赤身の状態です。
粉状のネタを一袋18Lの水に溶かして使用します。
外壁の通気層を北海道建築技術協会のBISの教本通りに窓回りと外壁の通気を確保して下地を施工した後にこれを外壁として施工します。
これです^^
まんべんなくブルーシートのプールに沈めて少し空気に触れると色がグリーンに変化します。
施工した杉板に押縁を施工していきます。
この外壁には土台水切りを使用していませんが、水切りを使用するときとしないときの施工方法もBISの教本には細かく書いてあるんです。
それがビルディングインシュレーションスペシャリストの教本で学んですぐに使えて役に立つための大先輩たちのバイブルなんです。
それを学び続ける事が大工が大工として誇りを失わずに地域に貢献できる虎の巻きでもあるんです。
大きい会社が大量生産して工業製品化していく中で実はローテクな断熱気密や地域の杉を採用してそういうシンプルなものに価値を付けていく事を続ける事で喜んでもらいながら地域を豊にしていく事で自分も豊かになる!
この事は北海道の建築やそれに関わる人と触れる事で少しづつ気が付いてきます。
これが僕らがやるべき事なんです。
運送コストも生産も北海道の人たちだって60年前はノルウェーやスウェーデンから学んで今があるそうです。
パスポートもいらないで、富山から札幌まで直通の飛行機まであるのですからお前なんかくるな!と言われない限りは学びつくしたいです。
知れば知るほど反省の度合いも増しますが、恥をかいてそれを隠す事こそが恥なんだという事も含めて気が付かせて頂いた北海道の方々の懐の深さが無ければ私のような世間知らずで自尊心の強い負けず嫌いはろくな事にならなかったです。
建築は人が生きていくのにどれだけ貢献できるかの度合いを工夫すればするほど増す事の出来る仕事です。
だからデザインも安全性も設備もエネルギーも周辺環境の景色を取り込むこともそれから食べ物もと欲張りな自分は全て含めて追及していきたいし行きます。
まわりに迷惑顧みずとは思っていないのですが、迷惑をかけながら多めに見てくれる人の寛容さのお陰でここまで来れました。
今年から来年にかけては人生の分岐点となる仕事を手掛けます。
それから発信にも力を入れていきます。
最後に仕上がりの写真を何枚かアップしておきます^^
キッチンは見た目のわりにコストが安いハウステックでペニンシュラを選びました。
面材の色は困ったときのウォルナットで。
以前I+I設計事務所の飯塚さんの現場を見学させて頂いた現場で見た日本プラスターの漆喰カルヌーボのラフタイプを私が塗りました。
実はこの漆喰を天井に私が一人で施工していて左目に直撃させてしまい、失明しかけてしまいひと月ほど寝込むという大失敗をしてしまいました。
この時もこのお宅のお客様は一度も私を責める事無くそれどころかずっと心配くれました。
この話を聞いた人は例外なく保護メガネは?と言います。
当たり前ですね。ごめんなさい。
普通なら大騒動になるところも寛容なお客様や仲間に甘えてここまで来ましたが、さすがに懲りました、、、。
無理は最後にしようと決めたのも、目のありがたさも、家族のありがたさも失明の恐怖を感じたときに本当に強く感じました。
「痛い目」にあった事で目が覚める事となりました。
お客様の要望で細かい仕掛けを施した書斎です。
通風と採光の為に脱衣場とリビングの上を抜いてテープライトをそこに仕込んで間接照明兼常夜灯にしてみましたが意外と喜んで頂けました^^
Instagram post by Kazutosi Ibayasi • Jun 15, 2019 at 3:36pm UTC
夜のリビングです。
ヒノキのフローリング節無しがお客様の好みだったようで喜んで頂きました。
長い間お世話になりました。