いばやし建築は多能工組織を造る
今日はお客様に早く入浴してもらう為に給湯器を据える為に犬走りのコンクリートを打設します。
写真は型枠を組んで天端の三角面木をバッテリーのピンネイラーで止めている所です。
最近は本当に便利になって昔は手でこれをとめるのでなかなか面倒な作業でした。
この日は昼一番で半練りのコンクリートを一輪車で運んで打設して3時少し前に終わり休憩した後西側の外壁を引き続き貼って行きます。
最近遠い地域の優秀な大工さん達と交流するご縁があり情報交換しています。
そこで地域ごとの大工さんの賃金はどの位?という話がでました。
なんと平均15000円ぐらいです。
これは道具も怪我も弁当も込みの社会補償費込みの価格です。
私が建設会社を経て大工を始めて数年後ぐらいの時は日当が2万六千円頂いた時代もありました。
この位頂けたら子供を大学に出すのも何とかなるなぁなんて今苦労してると思ってしまいます(笑)
プレカットが当たり前になって技術がいらなくなり誰でも出来る仕事と見なされているからと仕事の量に比べて人が余っている傾向にあるからだと思っています。
下請けで考えた場合かかる日数で割ればわかるのですが例えば30坪の家を坪単価3万円で仕事した場合90万です。
大体私が独りでやってひと月半かかります。
そこには社会補償費も釘金物も入っています。
クロス職人さんなんかだと独りで一週間で終わる人もいます。
ちなみに私がこの大きさの建物をクロス職人さんに払っている金額は45万位でした。
どうですか?
大工は仕事の範囲が広いので道具も多く手間も時間もかかるのに比べてクロス職人さんは同じ作業でやることの範囲は少ないので道具も壁紙のノリを付ける機械以外は小道具で済みます。
原材料費も数万程度です。
いかがですか?同じ日数で残るお金を計算して見れば大工の待遇は話にならないことが良くわかると思います。
これを大工が考えなければいけないのです。
世間知らずで自分が一番だと言う気持ちを持つ人が多いのですが現実はブラックの中のブラックです。それは意識の低さが招いている低所得だと私は認識しています。
これを改善する方法は大工が元請けで有ることが条件と考えます。
そして大工がこれまでの範囲を超えて特に駆体に関わることは全て大工が責任を持ってやることを私は促しています。
基礎工事から軸組そして断熱気密工事最低これを大工の当たり前に私はしていきます。
大工にしか出来ない事だという認識をこれから広めて行きます。
これは私の所だけではなく大工と名乗るすべての大工さんがそうなることが必要となります。
もし大工さん達が皆そうなれば命と財産を守る為の「構造」と「断熱」は大工の仕事だと言うことになります。
組み立てやと化した現在の大工が無くした「誇り」を取り戻すには「大工さんがいないとできない事」を大工自身もお客さんにも理解してもらう事が必要です。
そうすればお客さんもそういう認識で大工を見るようになると思います。
戦後の日本の人たちは「誇り」を無くして「保身」を身に着けたから余計に今のような人を信じにくい社会があるんと思います。
僕自身が怖さを知らない世間を知らない事は自覚があります。
それでも「誇り」を取り戻す事は未来の良い生産を促すと強く感じています。
だからそういう多能工集団を目指します。
未来を造る多能工集団を造りたいです。
そうはいっても今はゆきおちゃんと僕の二人で苦労しています(笑)
でも出来ると思うんです。
所謂持続可能な未来に貢献して自分達がいなくなった後の事を優先している仕事には仲間が集まるからです。
仲間が増えることはうまく行くんです。
だから頑張れます。