北陸富山で高性能住宅を手掛ける「いばやし建築」のブログ

住まいは、安全性(構造強度)プラス快適性(最適な温度と湿度のコントロール)そして長期的にランニングコストが抑えられる家を創ることが重要。決して一般の工務店、ハウスビルダー、大手ゼネコンでは絶対真似のできない住まい創りをコンセプトにしています。

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今の常識は未来の非常識

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あ大工さんが良かれと思って柱の中央付近で筋交いを折り返して施工している。

先日から魚津市で、お風呂とキッチンと外壁の工事に来ています。

推定60年前に建てたというこのお宅を外壁から内部の解体をしています。

柱中央付近で筋交いを折り返して施工してあるのですが、私もこの施工方法をある先輩大工さんに二十年以上前に教えられたことがあります。

当時かなり自信を持ってこの先輩大工さんは揺れたときにはこの柱中央付近で一番力がかかるからここで折り返すと一番強いんだ!と私に力説してくれたのを思い出しました。

 

当時を振り返り今考えると、先輩大工さんが柱の座屈に対しての強度を得る為の工夫なのかな?と思うのですが当時の私は(多分教えてくれた先輩大工さんも)座屈という単語の定義も知ってはいませんでした。

 

座屈というのは柱に対して圧縮する力がかかると横に折れ曲がろうとする現象です。

 

つまり上下に掛かる力に対しては有効かもしれません(これも計算してみないとどの程度まで有効なのかはわからない)が地震時は縦横だけではなく縦横斜めと全ての方向に力がかかると想像できます。

 

そう考えるとこの筋交いの施工だと座屈以外のかかる力を負担する部分も必要となりこの施工ではNGだなとなります。

 

でも当時は何となく違和感は感じましたが、どうしてこれが良くない施工なのかが、私には説明もできないしそこれこそ経験で万でおられる大工さんが言うのだからと疑うことなくそれを良しとして素直に受け入れていましたが、やっている大工二人して座屈という単語すらわかっていなかったのです。

 

この施工方法は大工さんが建物を強くするための工夫だったんです。

 

良かれと思って間違った施工をしている例です。

 

こういう事は当時の私にしたら今は非常識でも当時は先輩が言うのだから間違いはないという考えがあり常識でした。

 

でも人類はこういう失敗を繰り返して進化し続けているのだと思います。

 

数百年前には地球が丸いことも非常識、でも今は違いますよね?

 

今の常識は未来の非常識です。

 

だから根拠を追求して最善を尽くさねばならぬのです!